白峰家の双子

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  ちなみに俺の名前は浩二だ。 カ行の5段目に、ア行3段目、サ行2段目に濁点をつけて“こうじ”だ。 なのに妹の花織の方は俺のことを“ヒロ君”と呼ぶ。 なんでも初対面の時に、双子の母親が俺の名前を“ヒロシ”と勘違いしたことがきっかけみたいだ。 姉の紗織はすぐに訂正してくれたが、妹の花織はすぐに訂正出来ず、今に至っているのだ。 それ故にヒロ君と呼ばれているのだ。 今更訂正させるのも、どうでも良いという感じだし、何より女の子から親しい感じで呼ばれるってだけで気分は良いものだ。 「ほらコージっ!アタシがアンタの起床を手伝ってあげてるのよ?感謝くらいしなさいよ」 訂正。 いくら女の子でもあまりに親しさというか、加減を知らなすぎる物言いまで気楽な仲になると、それはそれで不甲斐ない気持ちになる。
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