すとれんじついんず

白峰家の双子

　
「ヒロ君大丈夫？痛かったでしょ？」

そのちっさいナリでどっからそんな力が出るんだと問いたくなる様なパンチを喰らい、痛みに悶えると俺を心配する声がした。

部屋のドアの後ろ側から。

「あぁ……大丈夫だ……慣れないけどいつものことだから……花織」

俺が名前を呼ぶとドアの隙間からチラッと花織は顔を出してきた。

さっきまで部屋の中に入ってたはずなのに、部屋の外に出ている花織。

「いつものってそれじゃあアタシがまるで暴力女みたいじゃない」と、紗織が隣でギャーギャーうるさかったりするが、今は無視。

白峰花織。

彼女は人見知りが激しく、長い付き合いの俺でも未だにこんな距離感のある関係なのだ。

まぁもう慣れたから別段傷付いたりはしないし。

それに俺はいつも彼女に期待していた。