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白 限りない白 私はその中で じっと あの窓の向こうを見ていた 今となっては昔の事だが まだ 自分の居た世界が 自分の近くに 気付かないところに ある気がしていた ―ガチャリ― 扉が開くと 見覚えのある少年 だけど 思い出せない 毎日のように 私を訪ねてきてくれるのに 私は… 今日は 少年が本を持って来た それを見た時 私はカッと 瞼が熱くなる気がした 手に取って 表紙をなぞる。 知らなかった文字だった。 いや…忘れていた文字だった。image=260382419.jpg
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