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白
限りない白
私はその中で
じっと
あの窓の向こうを見ていた
今となっては昔の事だが
まだ
自分の居た世界が
自分の近くに
気付かないところに
ある気がしていた
―ガチャリ―
扉が開くと
見覚えのある少年
だけど
思い出せない
毎日のように
私を訪ねてきてくれるのに
私は…
今日は
少年が本を持って来た
それを見た時
私はカッと
瞼が熱くなる気がした
手に取って
表紙をなぞる。
知らなかった文字だった。
いや…忘れていた文字だった。
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