序章

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「おい……アンタ……おいっ!!」 誰かに肩を揺さ振られ、ズキズキと痛む頭を抑えながら目を開け、訳が解らないままに取り敢えず私は身体を起こす。 自分を見る大学生くらいの男の子は、少し安心したように表情を緩めながら軽く溜息を吐いた。 「……アンタだけ中々目を覚まさねぇから死んでるのかと思った」 「死ん……って、何言って……」 それはいくら何でも大袈裟だろうと、苦く笑いながら周りを見る。 「……………っ?!」 ーー自分の目を疑った。 まるで舞踏会でもしそうな広い吹き抜けのホールのど真ん中で、十畳くらいの空間の四方を、鉄格子に囲まれている。 「……なに……これ……」 .
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