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「ちょっ、玲。携帯鳴ってるって」
そう言ったのは、同い年で親友の長岡莉緒【ナガオカ リオ】。
「や、大丈夫。今、私はこの電話に、気付いてないことになってるから」
「は?」
何言ってんの。みたいな、顔する莉緒。
うん。普通は、その反応で間違ってないよ?
でも、ね?
ヤな予感が、するから。
出たくないんだ。
付き合いだけなら、誰にも負けないくらい長い、千昭。
このタイミング、私の部活が終わった頃合いを見計らって、かけてきてる。
だから、分かるんだよね?
この電話は、今から私を呼び出そうとしてるってことが。
……付き合いが長いって、考えモノだよね?ホントに。
と、ゆーわけで。
私、この電話に気付いてませんっ!!
今日は、マジで勘弁して。
早くシャワー浴びて、とっとと寝たいのっ。
「玲、携帯ウルサイよー?」
私や莉緒と同じ二年の、篠原茅佳【シノハラ チカ】が、私を急かす。
でも、これは譲れない!
私の睡眠を、守る為だっ!!
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