6人が本棚に入れています
本棚に追加
さゆりと井上さん、私と美和の4人はチャイムが鳴るギリギリまで会話をした。
「うちのこと、さゆでもさゆりでもどちらでも呼んでね!」
「うちのことも、美和でいいよ♪」
「ぢゃあ、さゆりと美和ね!えっと・・」
私を見つめる。私は慌てて言った。
『愛華だから、皆ちかって呼んでるし、ちかでよかよ!』
「・・・え?」
井上さんは目を真ん丸にしてビックリした。きっと、私の名前の漢字にびっくりしたんだろう。
「愛華って、てっきり″あいか″かと思っとった!」
予想的中。まぁ、小さいころからこのパターンだから予想出来たんだけど。
『良く言われる(笑』
「ご、ごめん…」
『よかよー☆さゆも美和も皆、最初はそのパターンやし、もう慣れた♪』
「うちも最初は″あいか″と思ったけんね(笑」
「それそれ!」
愛華で″ちかげ″って読む人なんてそういないと思う。なんせ私の父親は変なプライドから、皆に分かりにくいように珍しい漢字で名前をつけるから。
『寧ろ″ちかげ″って初っ端読む人おったら、私はその人を讃えたいわ(笑』
「それもそうやんね(笑」
井上さんはすぐに私たちと打ち解けた。最初は、ただ私以上に暗い子だと思ってたけど、話してみると面白い子だった。
『よく病院で”あいぶあいかさーん!”て呼ばれて、自分のことだって気付かんかったわぁ』
「気付けよ(笑」
『だって私の名前は”ちかげ”やもん。”あいか”って呼ばれて気づくわけないやん?』
そんな馬鹿話を繰り広げた昼休みはとっても楽しかった。
最初のコメントを投稿しよう!