3人

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 さゆりと井上さん、私と美和の4人はチャイムが鳴るギリギリまで会話をした。 「うちのこと、さゆでもさゆりでもどちらでも呼んでね!」 「うちのことも、美和でいいよ♪」 「ぢゃあ、さゆりと美和ね!えっと・・」  私を見つめる。私は慌てて言った。 『愛華だから、皆ちかって呼んでるし、ちかでよかよ!』 「・・・え?」  井上さんは目を真ん丸にしてビックリした。きっと、私の名前の漢字にびっくりしたんだろう。 「愛華って、てっきり″あいか″かと思っとった!」  予想的中。まぁ、小さいころからこのパターンだから予想出来たんだけど。 『良く言われる(笑』 「ご、ごめん…」 『よかよー☆さゆも美和も皆、最初はそのパターンやし、もう慣れた♪』 「うちも最初は″あいか″と思ったけんね(笑」 「それそれ!」  愛華で″ちかげ″って読む人なんてそういないと思う。なんせ私の父親は変なプライドから、皆に分かりにくいように珍しい漢字で名前をつけるから。 『寧ろ″ちかげ″って初っ端読む人おったら、私はその人を讃えたいわ(笑』 「それもそうやんね(笑」  井上さんはすぐに私たちと打ち解けた。最初は、ただ私以上に暗い子だと思ってたけど、話してみると面白い子だった。 『よく病院で”あいぶあいかさーん!”て呼ばれて、自分のことだって気付かんかったわぁ』 「気付けよ(笑」 『だって私の名前は”ちかげ”やもん。”あいか”って呼ばれて気づくわけないやん?』  そんな馬鹿話を繰り広げた昼休みはとっても楽しかった。
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