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車で走ること約15分で、丘の上に建つ学校に到着した。
『相変わらず綺麗だなぁ・・・』
私はよく学校近くのお店に遊びに来るから、この学校はよく見ていたけど、近くで見るとやっぱりまだ新しくできたような感じがする。
そして私と母は傘をさし、新入生が集まっているところに行った。
そこにはクラス分けの紙が貼ってあった。身長の低い私には沢山の新入生と保護者でごった返している中で自分の名前を見つけるのが大変だ。
一生懸命人を掻き分け、クラス分けの紙を見た。
『えー、まさかの1組・・!』
「あんた、また1組?」
小学校の時は3クラスもあったのにほとんどが1組で、1組じゃなかった学年と言えば5、6年だけ。今回も1学年6クラスもあるのに、見事1組。神様は私に恨みでもあるのだろうか・・・。いや、恨むにしてはクラスを1組にするなんて地味すぎるけど。
「愛華…」
『何?』
「1組に……」
母に催促され、もう一度クラス分けの紙を見る。
『げっ……!』
私の目の先には、私の大嫌いな男、嘉山徹(かやまとおる)の文字。小学校の時、私は嘉山にいじめられてた。お母さんも嘉山に私がいじめられてきたから大嫌いらしい。「とりあえず1年間大丈夫なの?」
『多分大丈夫だよ。中学にもなって私をいじめたりはせんやろーし…』
なんて言いながら、本当は不安でいっぱいだった。嘉山に限って、中学生だしなんていう考えなんて浮かぶわけないって頭では分かってたから・・・。
『・・・大丈夫だよ!!』
「そうやね、愛華がそういうなら心配ないね」
『うん!』
本当は不安でしかたがない。
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