次元と刻

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冷たい目。 私にはそう見えた。 壱原 侑子(イチハラ ユウコ)。 「貴女が来るって、どうゆう風の吹き回しかしら?」 冷たい目 「…別に、なんとなくよ」 冷たい目 「そう?てっきりあの子を見に来たと思った」 「別に対価を見に来たんじゃあ…」 冷たい目 「私はあの子しか言ってない」 「………。」 見下した目。 私はこいつが嫌いだ。 私の事を一番分かっている風に言うその口が嫌い。 「…それより、次元の魔女様はさぞ幸せですねぇ。召し使いがいて..」 チラッと奧の襖で、本人は隠れているようだがバレバレでこっちを覗いている子がいる。 「四月一日(ワタヌキ)ね、あの子はいいわよぉ?」 微笑みながら言うのが、嫌らしくて寒気がする。 「ふーん。あの子が、四月一日君ねぇ」 「あら、さくら子ちゃんも気に入ったのかしら?」 …。 奴に見えないように腕を後ろに隠して、おもっきり拳を握った。 本当に大嫌い。
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