次元と刻

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「ユウコさん、彼女誰ですか?」 四月一日はてっきりユウコに願いを叶えてもらうために来たお客さんだと思った。 でも、この店の主人にあんたと呼んだ人は初めて見た。 「彼女は折原さくら子。昔からの大切な友人よ」 おつまみをひょいっと宙に投げて、口でキャッチした。 「大切な友人って、見た感じユウコさんの事嫌っているような…」 「刻は次元を怨み、次元は刻を憐れむ」 「は?」 「それよりお酒無くなっちゃった」 「ユウコさん!いつも飲むの早すぎますよ!!」 四月一日が切らしたお酒を取りに行って、侑子は独り呟いた。 「あの時、貴女の願いを。そしてあの子の願いは嘘じゃなかった」
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