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「―彼女に、頼まれていた」
その人に渡されたのは、姉が、私に宛てた手紙だった。
私を庇いB・Dに殺された姉さん。
あの時から私は今までB・Dと戦って来た。
でも
その姉自身も、B・Dだったと知ってしまった。
真実を知りたくて、恐らく私より姉を知っているであろう人の元を訪れた。
姉の、恋人。
町がB・Dに襲われなければ、私の義兄になっていた人。
その人は、私の問いかけに悲しげな顔をして…
どこからか持って来た白い手紙を、私に差し出した。
「…すまない。灯慧(ともえ)には、もし自分になにかあったら渡して欲しいと言われていた」
本当は成人を迎えてから渡すつもりだったらしい。でも今日私が尋ねなければ渡せなかったかもしれないと、俯いたその人を責める気はない。
静かに、受け取った手紙の封を開いた。
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