264人が本棚に入れています
本棚に追加
今宵は新月、時刻は丑三つ時、辺りを暗闇と静寂が包み込む中で動く人影が一つ存在した
「………今日は星がよく見えるな………」
人影の正体は黒のコートに身を包んだ一人の少年だった
少年は立ち止まり空を見上げて一人呟く
「………こんな日にお仕事とはねぇ」
少年は再び暗闇の中を歩き出す その先には一軒の豪邸が建っていた
「………今回はこいつ………か」
少年の手には一枚の顔写真が握られていた
写真に写っている人物はこの世界の大物政治家であった
「こいつが裏でいろいろやってるってわけか………」
少年は写真を裏返しにする
「人身売買に麻薬………さらには人殺しかよ」
そこにはいくつかの単語が並べられていた
これはこの政治家が今までに行ってきた悪行の種類であった
「………腐ってやがるな」
少年は持っていた写真をグシャリと握り潰す
すでに先ほどの豪邸の目の前まで来ていた
門の表札には先ほどの政治家と同じ名字が書かれている
どうやらこの豪邸は先ほどの政治家の家のようだ
「………それじゃあ始めますか」
少年は豪邸の敷地内へと入っていった………
最初のコメントを投稿しよう!