表と裏~現実と非現実~

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今宵は新月、時刻は丑三つ時、辺りを暗闇と静寂が包み込む中で動く人影が一つ存在した 「………今日は星がよく見えるな………」 人影の正体は黒のコートに身を包んだ一人の少年だった 少年は立ち止まり空を見上げて一人呟く 「………こんな日にお仕事とはねぇ」 少年は再び暗闇の中を歩き出す その先には一軒の豪邸が建っていた 「………今回はこいつ………か」 少年の手には一枚の顔写真が握られていた 写真に写っている人物はこの世界の大物政治家であった 「こいつが裏でいろいろやってるってわけか………」 少年は写真を裏返しにする 「人身売買に麻薬………さらには人殺しかよ」 そこにはいくつかの単語が並べられていた これはこの政治家が今までに行ってきた悪行の種類であった 「………腐ってやがるな」 少年は持っていた写真をグシャリと握り潰す すでに先ほどの豪邸の目の前まで来ていた 門の表札には先ほどの政治家と同じ名字が書かれている どうやらこの豪邸は先ほどの政治家の家のようだ 「………それじゃあ始めますか」 少年は豪邸の敷地内へと入っていった………
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