出会い

4/8
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「ねえ!名前なんて言うの?」 ああ…最悪だ 「私は美羽!よろしくね!!」 よりによって隣になるなんて… 「よ…よろしく…あは…あはは」 僕の隣には例の彼女が座っている 「ぷはっ。良かったな隣で」 風がかるく吹き出しながらそう言ってきた 僕は小声で返事をする 「おかしいって!!僕は新倉なのになんであいつが隣に…」 僕は思う。これは誰かの陰謀だ。 「ほら、席くっ付けちゃえよ!」 そう言って風は彼女と席をくっつけようとして来た 「や…やだよ!ああ、僕の高校生活は終わった…」 あまりのショックさに僕は頭を抱え込んだ ちなみに風は渋谷さんの後ろ、つまり僕の斜め後ろの席だ 「ねーねー!ヒロ君って呼んでいいかな?」 そう言って渋谷さんは顔を近寄せてきた うつぶせの状態のまま僕は言う 「断固拒否します」 「わー!ありがとうヒロ君!」 両手を合わせぴょんぴょんとび跳ねながら彼女はそう言った 一体どうやったらその巨体が宙に舞うのだろうか 「うわこいつ人の話聞いてない…しかも馴れ馴れしい…」 「ははっ。声に出てるぞお前」 「あ、ごめんつい…」 時々感情が声に出てしまうのが僕の悪い癖だった まじめな顔で風は言う 「まあヒロ、人は見た目じゃないぜ?中身が大事なんだ。確かにあいつはデ・・ふくよかだが性格はいいんじゃないか?」 「今デブって言いかけたよね!?」 「言いがかりはよせ」 「うーん…じゃあ風が付き合えばいいじゃないか」 「ははっ、冗談はよせよ。俺は面食いだ」 「さりげなく最低な事言ったよね今」 今僕は風に激しくつっこみを入れてあげたい気分だった はあ…これからどうすればいいんだろう そんな事を考えているといきなり教室のドアが開いた。 「授業だ、席に着けー」 上下赤いジャージを着た中年のおじさんが入ってきた。 どうやらこのクラスの担任らしい 「私の名前は森田だ。よろしく」 腕を組みながらしゃべるその姿は熊のようだった 見た目も喋り方も怖い 優しい女の先生が良かったな… 「ということで皆には自己紹介をして貰うぞ」 何がということなのかわからないが、順番に自己紹介をすることになった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!