俺の世界

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「なんでこの世界はこんなに退屈なんだろ」 それが俺の口癖。 俺は今日から高1、神藤 界 【シンドウ カイ】 退屈な中学校生活に別れを告げ、やっと新しい生活を掴める…と思いきや、 「つまんねー、なんでこんなつまんねーの? おい、水樹なんでだ?」     「知らねぇよ、ばーか、 まず高校も中学もそんな変わんねぇだろ」     「え、そうなの?」     「普通そうだろ…」     コイツは俺の幼なじみ、世古口 水樹【セコグチミズキ】。    「まずさぁ、今入学式だぞ。入学式が面白い高校なんてねぇだろ」     「あぁ、つまんねー。 ホント退屈だぁ」     ゴホン     ステージ上から校長のわざとらしい咳払いが聞こえた。   ふと周りを見ると、スーツにネクタイの教員から、厚化粧のババァ…じゃなくて保護者、真新しい制服の学生達、全ての視線が自分に集中していた……     「どうぞおかまいなく」               俺の声だけが体育館に響いた。   後ろで水樹が声を殺して爆笑している。   ちくしょう、後から一発殴ろう。
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