792人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんでこの世界はこんなに退屈なんだろ」
それが俺の口癖。
俺は今日から高1、神藤 界 【シンドウ カイ】
退屈な中学校生活に別れを告げ、やっと新しい生活を掴める…と思いきや、
「つまんねー、なんでこんなつまんねーの?
おい、水樹なんでだ?」
「知らねぇよ、ばーか、
まず高校も中学もそんな変わんねぇだろ」
「え、そうなの?」
「普通そうだろ…」
コイツは俺の幼なじみ、世古口 水樹【セコグチミズキ】。
「まずさぁ、今入学式だぞ。入学式が面白い高校なんてねぇだろ」
「あぁ、つまんねー。
ホント退屈だぁ」
ゴホン
ステージ上から校長のわざとらしい咳払いが聞こえた。
ふと周りを見ると、スーツにネクタイの教員から、厚化粧のババァ…じゃなくて保護者、真新しい制服の学生達、全ての視線が自分に集中していた……
「どうぞおかまいなく」
俺の声だけが体育館に響いた。
後ろで水樹が声を殺して爆笑している。
ちくしょう、後から一発殴ろう。
最初のコメントを投稿しよう!