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ココット村へと続く道。
既に寒冷地帯は抜けており、道中は鮮やかな草木が賑わっていた。
「皆に会うのも久しぶりだな……」
「キリンさんは面識があるのですか?」
「一応な。最も忘れられてるかもしれないが」
「安心しろ。どこぞのバカもお前のことは覚えていたんだ。奴らが忘れているはずもあるまい」
「いい加減貴様は主人をバカにするのをやめたらどうだ?」
「ハンター君が可哀想だと思うな……」
「ふん……」
などと、罵倒されながらも歩を進める。
確かにキリンの言う通り、皆に会うのも久々だ。
早く会いたいという思いでココット村へと歩き続ける。
「ところでクシャルちゃんは……」
ナナにクシャルの動向を聞かれる。正直答えなくはない。適当にはぐらかすのが一番だ。
「あいつは……。うん、なんか密林に忘れ物したとかで後から合流するって」
「飛竜が忘れ物……ねえ。考えがたいな」
ガルが呟く。
余計なことを言いやがって。
放置プレイ味わいたいから放っておいてと言われた。なんて言えるはずがないだろう。
「でも後から来るんだよね?」
「ああ、それは間違いない」
直接いたぶられたいからいつまでも放置プレイで待ってない。と、言っていたため確実に来るだろう。
正直なところこのまま来なくても良いわけだが、流石にそれは可哀想だ。
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