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烝「真生、ちょいここで待っててな、 …お前はこっち来いや。」 きょとんとする真生を置いて、烝は硬直する騰馬を引き摺り少し離れた物陰に入る。 一人になった為、店の壁にもたれてしゃがみ込みどちらかが帰って来るのを待った。 ?「…こんな所で何してるの?」 下を向いていた真生に影が差し、聞き覚えの無い声が聞こえたので顔を上げる。 真「…どちら様ですか?」 やはり見覚えが無く、首を傾げてまじまじと見つめた。 女性的な顔に儚げな雰囲気が惣三郎に似ている気はしたが、 如何せん知らない人間なので真生は身を固くする。
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