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真生が詰め寄ろうとした瞬間、新八が買い物を終え店から出て来る。 稔「…時間切れか。 真生、僕の名前は稔麿。 また会おうね。」 それだけ告げると、新八が近付くより先に人波の中へ消えて行く。 引き止める暇も無く、呆然と彼の消えた方を見ていると 烝「真生、今の知り合いなんか?」 いつの間にか、騰馬を連れた烝が戻って来ていた。 真生が見ていた方向を睨み付けていたが、 ふっと笑顔になると隣に立つ騰馬へ囁く。 烝「さっき言うた事、誰にも漏らしたらあかんで?」 固まっていた騰馬は、びくっと体を揺らしてこくこくと頷いた。
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