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その時になって
「あっ、お財布」
お金の存在に気付いた。
「いいよ、俺が払うよ。」
紳士なけーちゃんはニコリと笑うと、伝票を持ってレジへ向かった。
レジの前で、お会計しているけーちゃんを見て、ものすごく申し訳ない気分に落ちいった。
「ありがとう、けーちゃん…。ちゃんとお金返すから。」
「ん？いいよ、いらない。」
「でも……」
「妹の飲み代払って何が悪いの？」
と言うけーちゃんに黙り込んでしまい、結局はけーちゃんにご馳走になった。
「んじゃ、行きますか！」
『ん～っ』と両腕を伸ばして、伸びをしたけーちゃんは私に笑いかけた。
その笑顔になんでも許してしまいそうになるのが怖い。
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