1.男友達

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「……ヤダなぁ。今まで健太を恋愛対象でみたことなんて一度もないよ! ただの友達だってば」 「でも、塚原君は夏実のことが好きかもしれないでしょ?」  香絵は夏実の目を真っすぐに見て聞く。 「それは無い! 一緒に居れば分かるもん」 「……じゃあ夏実、応援してくれるの?」 「もちろん!」 「良かったじゃん香絵!」 「ホント、私たちも応援するからさ!」  典子と舞に言われ、香絵は嬉しそうに笑いながら、涙目になった。 「ヤダ、涙ぐんでるよこの子ぉ」  4人はいつまでもキャアキャアと騒いでいた。 「うっせぇな~、女子」  雑巾サッカーをしていた石田がボソッと言うと、真もチラリと顔を向け、賑やかな輪の中、ただ笑っている夏実が目にとまった。 .
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