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健太と一緒に視聴して、好みを伝えた後、夏実は店内を回る――
ある特集が組まれたブースの前で足を止め、少し切ない表情で、ヘッドフォンを耳にあて、ためらいながら目当ての曲を流した。
聴きなれたバラードが流れる――随分聞いていなかった曲を耳にしながら、やっぱり好きだと感じた……。
と、その時――夏実の耳から突然ヘッドフォンが外され、健太がニヤリと笑っていた。
「さっきの仕返しぃ……ってか夏実?…泣いてんの?」
「泣いてないよ!」
夏実は目に溜まった涙を急いで拭う。
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