1.男友達

17/18
前へ
/215ページ
次へ
 舞の視線の先に目を向けた典子と香絵は、健太が夏実の髪に触れている所を見て一気に顔を強ばらせた。 「信じらんない! ただの友達って言ってたくせに」 「香絵の気持ち知ってんのにヒドイ!」  典子と舞の言葉に、香絵の目に涙が溜まる。典子と舞は香絵の肩を抱きながら、笑顔の夏実を睨みつけた。 「もう、髪がぐちゃぐちゃになるから止めてよー」  夏実は健太から逃げる様に前に進んだ。 「チェーッ褒めてんのにさ。でも俺、本当はショートの子がタイプだけど」 「へぇ……じゃあ香絵みたいな?」 「かえ?」 「山内香絵。教科書借りたでしょう?」 .
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

221人が本棚に入れています
本棚に追加