2.始まり

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「おはよー」  夏実が席へ向かう間、すれ違う女子に声を掛けるが、素通りされた。 『聞こえなかったのかな?』  不思議に感じながら、自分の席に着くと、後ろの香絵に振り向く。 「ねぇ香絵――」  聞こえる様に呼んだのに、香絵は全く聞こえていないように淡々と席につく。 「?……」  その時担任が入ってきて、夏実は怪訝に思いながらも前を向いた。 .
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