2.始まり

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 その日の昼休み。典子と舞と香絵は3人だけで席を合わせて、楽しげにお弁当を広げた。  夏実は昨日まで自分の席もあったその場所へ近づくことが出来ず、離れた場所からぼんやりと眺める……そして近くの席の女子グループに声を掛けた。 「ねぇ、お昼一緒に食べてもいい?」 「う、うん…いいけど……」  声を掛けられた女子生徒は少し怪訝な顔をしながらも了承した。そこにそのグループの女子が慌ててやってくる。 「あの悪いけど、内輪で大事な話しがあるんだよね」 「あぁ、そっか……」  そのグループから離れ周りを見回すが、どのグループの女子も、目を合わせないようにしていた。夏実は言い知れぬ淋しさに包まれながら、自分の席に座って、一人で弁当を広げて食べ始めた。  談笑していた典子はポツンと一人で弁当を食べている夏実を見やると、ニヤリと笑んだ。 .
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