3.エスカレート

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 翌日、夏実が教室に入った瞬間、また、教室中がシーンとなる。  昨日、帰宅してから香絵に電話やメールをしたが、着信拒否をされた。香絵ばかりではなく、典子も舞の携帯にも繋がらなかった。どうしても誤解を解きたい夏実は、香絵宛てに書いた手紙を持って香絵の席の前に立った。 「香絵、これ読んで」  手紙を差し出すが、香絵は表情を変えずに受取ろうとしない。 夏実は手紙を机の上に置いて、席へと戻ろうとした――次の瞬間。 ――ビリビリ、ビリビリ――  振り向くと、香絵が開封しないままの手紙を淡々と破っていた。周囲から小さな笑い声が聞こえてくる。  夏実は涙が込上げてきたが、我慢して席に向かった――がそこに、夏実の席は無かった……。 .
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