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「あっぶねぇなぁ……」
健太が蹴とばした雑巾を、やってきた真が拾い上げる。
顔を上げた真と目が合った夏実は、その鋭い眼差しにドキッと緊張した。
「真ぉ、ほれパース!」
仲間の奥野に呼ばれ、真は教室内に戻っていった。
「無愛想なヤツだなぁ……」
「私、同じクラスでもまだ一度も話したことないや……」
「先生たちにも目を付けられてる奴だろ? 話さなくて正解。近づくなよ」
A組の仲間に呼ばれ健太を、笑顔で見送って中に戻ろうとした夏実の前に香絵が現れた。
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