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朝のホームルームで安田が出欠をとっている。
「丸山さん、――はい。三田さん、――三田さん?・・・」
安田は空席の夏実の席を見つめ、残念そうに出欠簿に目線を落とす。机に平伏していた真は、
目だけ開けて隣の空いた席を見つめた。
休み時間になると、B組の教室はここ数日見られなかった、明るく賑やかな声が溢れていた。
「……あ、塚原」
舞が廊下を歩く塚原に気づいた。
「ほら香絵、言っちゃいなよ」
「えっ?……」
典子が香絵を健太の前へ押し出す。
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