平々凡々

2/4
前へ
/28ページ
次へ
僕は走っている。 時間は早朝、場所は街。 肩にはショルダーバッグの紐が掛かっており、バッグの中は文字が羅列した紙がぎっちりと詰まっている。 いわゆる、新聞配達だ。 なぜ新聞を配っているのかというと、僕が住んでいるこの街に理由が有る。 この街の名前はコモン。 魔法自治都市に分類され、住民は貴族と平民に分かれる。 いや、分けられると言った方が正しいだろう。 何故ならば、貴族の子供は英才教育により将来貴族になるのが決まっているのに対して、平民の子供は経済的な余裕が少なく、精々学校に通わせるのが限界だからだ。 立場のマンネリ化が生み出すのは、ただの格差だった。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加