唯一の憂鬱

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  「みんな!あの西王と大貴族の鳴神が決闘するらしいぞ!」 勢いよく教室の扉が開く音と共に、地味な顔の目立たないクラスメイトが嬉々として叫ぶ。 直ぐ様クラスの皆は見物の為に移動を始める。 正直、行きたくない。 決闘を挑んだのは、貴族である鳴神の方だと容易に想像が付く。 誰だって、あんな人間いてたまるかと思うだろう。 あんな完璧な人間が。 優れた容姿と頭脳を持ち、この国の国民が持つ魔力を全て足したとしても遠く及ばない程といわれる量の魔力を持ち、 全属性の魔法が使える上に、最上級だの古代だのと呼ばれる一般人には至極関係無さそうな魔法を使い、 弱冠15才にして、異例のギルドランクSSSを所持しているらしい。
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