一章

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「はぁ~」 「大丈夫ですか?少し休憩しましょう」 ため息の主はここ生徒会の書記、東堂 湊。大量の書類を片しつつため息をつく背中はとても細い。 なぜこの大量の書類を二人だけで片しているかというと、他の役員が転校生といちゃいちゃしているからです。 私たちの目の前で。 転校生が来てからというもの、役員は私たちともう一人を除いてみんな転校生に惚れてしまった。このくそ忙しい時に。 「どうぞ」 「ありがと~」 一息入れようと私が入れた紅茶を渡すとなんとまぁ可愛らしい笑顔を浮かべて礼を言う湊。 そんな顔を周りに見せたら即食われますよ。もう本当に可愛いんだからぁ。 ・・・ ちょっとそこ!オカマ?なんて言わないでよ!? あたしは正真正銘女の子なのです。 男装してここにいるのはあたしが腐女子だから。こう言えば全部分かってくれるわよね。 そう!男と男の絡みが見たいがためだけに潜入したのです! どうやって入ったかは企業秘密だけどいろいろとコネを使いまくりました。 というわけで、腐女子であるあたしの名前は西園寺 遥。ここでは斉藤 はるかという偽名を使ってるの。内緒ね。
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