薫SS

4/7
前へ
/36ページ
次へ
そして放課後。 約束通り私は教室で秀くんを待っていた。 遅いなぁ~。すぐに来ると思ってたのに。 そう思っていた時、ある人に話し掛けられる。 男「土御門、ちょっといいかな?」 話し掛けてきたのは、確か秀くんと同じ部活の一つ上の男子生徒だった。 面識ないのに、いきなり呼び捨てで呼ばれて少し嫌悪感を抱く。 薫「…何ですか?」 男「まあまあ、そんなに警戒しないで。すぐ済むからついて来て」 薫「でも、連れがすぐに来るので」 男「そんなの放っといて、いいから来いよ!」 薫「きゃっ!」 いきなり腕を掴まれ、強引に引っ張られる。 女1「…あれって、舘芭名(たちばな)先輩でしょ?」 女2「…気に入った女子と無理矢理付き合うっていう、あの人?」 女3「…土御門さん、かわいそう…」 そう思うなら助けてよね。他人事だと思って。 クラスの女子に悪態をつく暇もなく、舘芭名に連れていかれる。 抵抗はしてみるものの、案の定あまり効果はない。それどころか相手を苛立たせるだけかもしれないので、抵抗も止める。 いや、止めたんじゃなくて、できなかった。 うまく言えないけど、体が言うことを聞いてくれない。 よくわからない恐怖を感じる。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加