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そして放課後。
約束通り私は教室で秀くんを待っていた。
遅いなぁ~。すぐに来ると思ってたのに。
そう思っていた時、ある人に話し掛けられる。
男「土御門、ちょっといいかな?」
話し掛けてきたのは、確か秀くんと同じ部活の一つ上の男子生徒だった。
面識ないのに、いきなり呼び捨てで呼ばれて少し嫌悪感を抱く。
薫「…何ですか?」
男「まあまあ、そんなに警戒しないで。すぐ済むからついて来て」
薫「でも、連れがすぐに来るので」
男「そんなの放っといて、いいから来いよ!」
薫「きゃっ!」
いきなり腕を掴まれ、強引に引っ張られる。
女1「…あれって、舘芭名(たちばな)先輩でしょ?」
女2「…気に入った女子と無理矢理付き合うっていう、あの人?」
女3「…土御門さん、かわいそう…」
そう思うなら助けてよね。他人事だと思って。
クラスの女子に悪態をつく暇もなく、舘芭名に連れていかれる。
抵抗はしてみるものの、案の定あまり効果はない。それどころか相手を苛立たせるだけかもしれないので、抵抗も止める。
いや、止めたんじゃなくて、できなかった。
うまく言えないけど、体が言うことを聞いてくれない。
よくわからない恐怖を感じる。
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