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聡「…ねぇ真柳ちゃん」
真「な、何だ!?」
全く頭が働かない。名前を呼ばれただけなのに、物凄く焦ってしまう。
聡「何でここまでしてくれるの?」
真「何でって、私のせいでお前がこんな目に…」
聡「ねぇ真柳ちゃん。オレってさ、だいぶ自惚れちゃって勘違いする男なんだけどさ」
真「あ、あぁ。それがどうかしたのか?」
よかった。体調は戻ってきたみたいだな。
聡「真柳ちゃんって、オレのこと好きだったりする?」
真「すっ!?ゲフゲフっ!」
完全に不意打ちだった。香西の体調が戻ってきて安心しきっていた。
真「ななな何を根拠に!?いいいきなり、何を言うんだ!?」
聡「いや、だってさ?遊園地だってみんなで行けば良いのにオレだけ誘ってくれるし、膝枕だってしてくれるから、そうなのかなって」
真「そそそれは、その…」
聡「…真柳ちゃん。オレは真柳ちゃんのこと、好きだよ?」
真「ひゃえ!?」
今ので頭の中がからっぽになった。ただでさえ考えてくれない頭がさらに働かなくなってしまった。
聡「…どうかな、やっぱりオレみたいなのは嫌かな…」
真「そ、そんなことは無い!わ、私も、お前の、ことが、その………好き、だから…」
聡「え?ごめん、最後が聞き取れなかった」
真「わ、私も好きだって言ったんだ!」
ああああ!?言ってしまった!勢いでつい大声で!しかも何だこの体勢は!告白するような状態か!?
聡「…ヘヘッ、じゃあオレ達今日から正式なカップルだ!」
香西が急に頭を上げ、私を見ながら言う。
恥ずかしくなって、目を逸らしてしまう。こんなこと、今までなかったのだが…。
聡「よし真柳ちゃん!行こう!」
真「は!?行くってどこに!?」
聡「あの医務室がオレ達を呼んでいる!」
聡はさっと立ち上がりそこへ向かおうとする。
真「ま、待て聡!あ、あの、手を繋いでも、いいか?」
聡「もちろん。断る理由が無い!」
聡の手が私の手に触れる。それだけの事なのに、とても嬉しい。
こんな恋の形はありなのかと、少し疑問ではあるが。
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