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オレと真柳ちゃんが付き合うようになって、結構な月日が流れ、夏休みに入った。
それでも、している事は前とほとんど変わらない。
一緒に登下校して、一緒に働いて、たまに夜に電話で話したり。
あんまりデートとか行けないけど、これでもいいんじゃないかとオレは思う。
無理にデートしなくても、二人で一緒にいられるならそれで十分なんじゃないかって思う。
だからさ、
聡「何でほぼ毎日来るんだよ!暇かお前ら!」
秀「いやぁ、真柳の父さんの料理が美味しくて」
薫「それに高校生に優しい値段で食べられるから、つい」
聡「気持ちはわかるよ?わかるけどちょっとは他のとこ行けよ!」
こいつらに二人でいられる時間を削られるのが少しムカつく。
しかも今日は、
愛「あ、本当だ。すごく美味しい」
卓「うん、愛理のより断然」
愛「…あんた、絶対何も作ってあげない」
卓「ちょっ、そんなに怒るなよ」
人数多い。全員集合しちゃってんじゃねぇか。
真父「いやぁ、嬉しいな。作ってる者としてはそこまで喜んでもらえると」
秀「わかりますわかります。作って良かったって気分になりますよね」
愛「私もよくわかるわ。普段褒められないだけに、美味しいって言ってもらえると感激しちゃって」
ったく、すっかり和みやがって。
聡「お待たせしました。いつものサンドイッチセットです」
爺「お、ありがとう聡君。今日は賑やかだね」
いつも来てくれる70代に見える夫婦と会話する。
聡「賑やかというか何というかって感じですよ」
婆「いいお友達じゃない。楽しそうで」
爺「聡君は真柳ちゃんと二人になれないから、嫌がっているのかな?」
聡「ま、そんなところです」
この夫婦、特にお爺さんの方はオレが考えている事をわかってくれる。流石の年の功ってとこか。
婆「なら、あたし達も早く出て行った方がいいのかねぇ」
聡「いえいえ!そんなことはないですよ」
爺「ほら聡君、お客さんだよ」
カランコロン
すげ、全然気づかなかった。
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