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真「聡、パンケーキとコーヒー出来たぞ」
聡「はいはい、了解」
どうでもいい話題をふってくる奴ら(というか姉弟)を放置して、さっきのサラリーマンまで持っていく。
聡「お待たせしました。コーヒーとパンケーキです」
男「ありがとう。それにしても今日は賑やかだね」
聡「賑やかって言うより、うるさいだけっスよ」
こうやって客と話す事が日課になっている。大体が相手が話しかけてくれるんだけど。
男「でも、あんな友達がいるのは良いことだよ。今は少し鬱陶しいかもしれないけど、大学に入れば皆別の道に進む。そうなれば、今居る人達には中々会えないからね」
聡「そういうもんですかね」
男「今は実感は無いかもしれないけど、そういうもんだよ。ま、君達6人は例外かもしれないけどね」
聡「でも、そうかもしれません。オレはみんなより頭悪いから、みんなと同じ大学には進めないだろうし、そうなればやっぱり大学の友達と遊ぶだろうし、みんなそうなりますよね…」
男「大丈夫。皆いなくなる訳じゃないから。今は携帯っていう便利な物もあるから」
そこで会話は途絶えた。
サラリーマンに軽く会釈をしてその場を離れる。
こういう歳を重ねた人にしかわからないような話が聞けるのは楽しい。無い頭に知識を与えてくれる。
そうだよな。みんなと一緒にいられるのも、高校で最後かもしれないもんな。
そう考えると、少し寂しくなった。
小中高と一緒だったから、一緒じゃない日常が想像出来ない。何だかんだ言っても、みんなと離れるのは、嫌だな…。
薫「ちょっと聡くん!聞いてよ!」
卓「姉ちゃんは後にしてよ。こっちも深刻なんだから」
秀「どっちも深刻じゃないですよ…」
愛「どっちも深刻じゃないわよ…」
ただ、これを目の前にすると、そう思う日は遠いだろうな、と考える聡であった。
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