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秀「あいつを、泣かせるわけには、いかないんですよ!」
『なんと!ここにきてトップの1年がスピードアップ!なんという脅威の体力だぁ!』
あの野郎、さっき俺のことスルーしたくせに。
いや、そんなの気にしないでおこう。今はゴールすることが先決だ!
ゴールまであと少し。大丈夫、イケる!
ん?待てよ…。俺、ゴールした後、どうすればいいんだ?
『ゴーーーーーール!!見たか野郎共!難攻不落のお題「教頭のかつら」の成功者が現れた!男の名は蔵屋秀一!この学校に新たな歴史が刻まれたぁ!!!』
ごめん、わぁーわぁー盛り上がってるところ悪いけど、それに答える余裕が無い。
とりあえず、ゴールの瞬間にかつらを教頭に投げ返したことで、教頭の動きは止まっている。
しかし、教頭がしっかりとかつらをセットした瞬間、こちらを向き、また全速力で向かってきた。
秀「もう、無理ですから!走る体力残ってませんから!」
『そんなこと言いつつ走って逃げるお前は輝いてるぜ!』
秀「誰か、助けてください!」
その後、結局捕まった秀一は教頭に3時間説教された上に、原稿用紙2枚分の反省文を書かされた。
その反省文の最後には、こう書かれていたという。
二度と借り物競走には出ません。
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