72人が本棚に入れています
本棚に追加
秀「俺も今日は休みですから、いつも通り教室で待っててもらえますか?」
もしこの人が私のことが好きだと言うなら理解できるけど、この人はたぶんそんなこと思ってない。
そう思ってくれているのなら、こんなに他人行儀にする必要はない。
薫「うん、わかった。………ねぇ秀くん。一つ聞いていいかな?」
もうこんなことに悩むのは疲れた。だから私は聞くことにした。
薫「秀くんにとって、私って何なの?」
秀「………どうしたんですか?急にそんなこと聞くなんて」
薫「急じゃないよ。ずっと考えてたもん。何で秀くんはそんなに私のこと気遣ってくれるの?」
秀「それは…最近は物騒ですからね。薫も一応女の子ですから、少し心配なんですよ」
この返答が本当なのか私にはわからない。
だけどこれ以上問い詰めても答えてくれないだろうな。
これでも長い付き合いだからその辺りは予想できる。
とりあえず納得しておくことにした。
薫「…わかった。じゃあ、今日もよろしくね、秀くん」
秀「はい、任せてください」
まただ。またあの笑顔。
誰に向けて笑っているのかわからない、あの笑顔。
私は、この人の何なんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!