薫SS

3/7
前へ
/36ページ
次へ
秀「俺も今日は休みですから、いつも通り教室で待っててもらえますか?」 もしこの人が私のことが好きだと言うなら理解できるけど、この人はたぶんそんなこと思ってない。 そう思ってくれているのなら、こんなに他人行儀にする必要はない。 薫「うん、わかった。………ねぇ秀くん。一つ聞いていいかな?」 もうこんなことに悩むのは疲れた。だから私は聞くことにした。 薫「秀くんにとって、私って何なの?」 秀「………どうしたんですか?急にそんなこと聞くなんて」 薫「急じゃないよ。ずっと考えてたもん。何で秀くんはそんなに私のこと気遣ってくれるの?」 秀「それは…最近は物騒ですからね。薫も一応女の子ですから、少し心配なんですよ」 この返答が本当なのか私にはわからない。 だけどこれ以上問い詰めても答えてくれないだろうな。 これでも長い付き合いだからその辺りは予想できる。 とりあえず納得しておくことにした。 薫「…わかった。じゃあ、今日もよろしくね、秀くん」 秀「はい、任せてください」 まただ。またあの笑顔。 誰に向けて笑っているのかわからない、あの笑顔。 私は、この人の何なんだろう。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加