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「朝っぱらから~💧」
「こんだけ元気なら、もう大丈夫じゃねぇの」
「つか、朝から飛んで起こすの止めようよ💧」
本鳥は、のん気にいつものテレビの上で、餌をたらふく食べ、羽根繕いなんぞしていた。
電話が鳴り、昨日連絡した先からだった。
〈話は聞きました。そのまま保護してもらっていいですから〉
「あの、書類とか手続きとかはいいんですか?」
〈いいです。ただ、周りにはあまり言わないでくださいね(笑)。我々も野鳥を保護するということを、啓蒙していかないとならないんで、お宅さんみたいな方が増えてくれるといいんですけどね〉
「はぁ」
〈なんか、具合悪いとか聞きましたけど、今はどうですか?〉
「ビタミン剤投与で落ち着きました」
〈あ、そうですか。私も経験あるんですよ。リポDを薄めて飲ませましたけど(笑)〉
「今度やってみます(笑)」
善い人だった。
これで正式、チッチはうちの家族の一員になった。
これ以降、ビタミン不足を補うために、定期的にビタミン剤を食べさせ、飲み水に野菜ジュースを少し混ぜておくことにした。
「緑の野菜の方が好きなんじゃね」
「人参の方は、濃すぎるかも」
二種類ほど、試しに飲ませ、チッチが好む方を採用した。
「頼むから、これで水浴びしないでよ」
「いいんじゃね、身体から吸収されて」
「しないから💧弾くし💧」
燕の羽根は、まるでレインコートのように水を玉にして弾くのだ。
それでも腹の部分などは、水浴びすれば、ビショビショになるが、それは翼をバサバサ羽ばたかせているうちに乾いてしまうのだった。
ちなみに、チッチのために、ボールをひっくりかえしたプールでの水浴びが天気の良い日の日課になった。
「あの~💧水道を直接被るの止めて欲しいんですけど💧」
まるで滝に打たれる修行僧のノリだった。
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