燕のチッチのドタバタ騒動記

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その頃になると、チッチのバサバサ、ワキワキ動作が激しさを増し、どうやら旅立ちに向けての飛行訓練をしたいらしく、隙を見ては、家の中を飛び回り始めた。 駄菓子菓子💧両翼のバランスの悪さはいかんともし難く、真っ直ぐ飛べずに旋回してしまうのだ。それに高度を保つことも出来ないらしく、飛んでいるうちに下がって来てしまうのだ。 そして、物の隙間に入り込んでは、抜け出せず、助けを求めて見上げるのだ。 「あのさ、自力で脱出できないなら、飛ばないか、留まれる所に留まろうよ💧」 身動き出来ずに嵌まり込んでいるチッチを助け出すのが日課になってしまった。 それでも鳥かごに閉じ込めるという考えは浮かばず、チッチはテレビの上の留まり箱でのんびり過ごし、腹が減れば飛ぶというのを繰り返していた。 それでも毎日飛ぶようになると、それなりに成果は上がるもので、旋回は相変わらずだが、高度を保つことが出来るようになり、高い棚などに留まることができるようになってきた。 それで自信がついたのか、餌をあげる際に、伸ばした手に飛び移ってくるようになった。 「餌をガン見してる~(笑)」 手に留まり、餌の入ったコップを覗き込み、ねだるようになった。それだけにとどまらず、餌の準備を始めると、『餌?餌っ!』という顔をして、翼をバサバサさせて、今にも飛び立ちそうな様子をみせるようになった。 「落ち着け💧今、あげるから」 と言ったそばから飛び立ち、頭を掠めて飛ぶことが、日常茶飯事になった。 朝など、旦那が寝床と一緒にチッチと一階に降り、モーニングコーヒーを飲もうと準備している間に、飛び立ち、旦那を慌てさせた。 「待てっ、こらっ」 手に乗せ、ミールワームをお湯で洗うのが待てないらしく、缶から割り箸でつまみ出されたミールワームを横からかっさらって食べるようになった。 「そんだけ腹減ってるなら、缶から直接食えばいいじゃん(苦笑)」 チッチのつまみ食いは、これ以降も続くのであった。image=370188279.jpg
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