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翌朝、真っ先に虫かごをのぞきこむと、燕はペットボトルに張りついて、キョロキョロしていた。
「ひと晩、もったな」
「うん、大丈夫そうじゃない」
ソォーと箱を持ち上げて、一階に移動した。
とりあえず、水をストローで飲ませ、次にミールワームを口をこじ開けて、数匹食べさせた。
何が怖いって、首を圧迫して窒息させるか、骨を折るかという危険性だった。
「頼むから~自分で口を開けてくれ💧」
と、言ったところで言葉が通じるわけもなく、無理矢理こじ開ける。
さて、旦那は仕事、子供たちは小学校と保育園に行ってしまい、燕と二人(?)きり。
狭い虫かごに入れっぱなしも可哀想なので、部屋に放す。
「つか、床を歩き回られてもなぁ💧踏むよな💧」
仕方なく、ストーブのガードに留まらせた。
「あ、ウンチ💧」
現実問題として、放し飼いということで、あちこちに糞が落ちるということがある。
対策として、留まる場所を固定して新聞紙でカバーすることにした。
「鳥かご、買う?💧…その前に獣医か💧」
四月に失職して以来、経済的に苦しい中で、高い買い物は出来ない。まして獣医に連れていく余裕など、この家には無かった。
「気持ちはわかるんだが、簡単に拾うなよ💧」
旦那を恨んでも仕方ないが、頭は痛い。ペットにしろ、野鳥を保護するにしろ、経済的な面は無視出来ない。
駄菓子菓子…もとい、だがしかし、貧乏学生の身で猫を乳飲みから育てた実績を侮ってもらっては困る。
「やってやろうじゃん、もこなより餌代安いんだから、どうにかなるわい」
問題は健康状態の維持だけだ。
実際、サイトの仲間たちは、青海苔+ミールワームだけの食生活に懸念をあらわしていた。
とにかく、燕は南方の鳥。この北国の海辺の町は気温が下がりやすい。保温が最優先課題だった。
そして、餌。本来であれば巣立ち直後から親から給餌されつつ餌の取り方を学ぶところだが、いかんせん飛べない💧
とにかく、虫の確保も頭が痛い問題だった。
旦那が夜帰ってくると、ティッシュにくるんだものを燕に見せた。
仕事場で捕まえた虻やら蛾を持ち帰ってきた。
「食べろ~」
と、目の前に差し出してみたものの、燕は頭を引いて逃げまくった。
「食えよ💧」![image=366430610.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/366430610.jpg?width=800&format=jpg)
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