燕のチッチのドタバタ騒動記

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最初こそ、なんだこれ状態だったが、ひと突きして虫とわかったのか、パクッと喰わえこむと飲み込んだ。 「お~食べた🎵」 続けて三匹を食べ、満足そうな顔に、みんなも笑顔になった。 「肩に乗せとくと、張り付いてくるよ」 「暖かいからじゃね?」 「野生だと、親とか仲間とくっついて寝るらしいからね」 「俺ら、親?」 「代わりでしょ(笑)」 旦那が燕を試しに肩に乗せてみた。ススッと首もとに寄っていき、ピタッと張り付いた。 「う~ん、くすぐったい💧」 そのまま、ひげ面をおしつけスリスリする。 「嫌がってるって」 「そんなことないよなぁ~」 「自分の子供と同じことすなっ」 「いいじゃんなぁ」 「おい💧」 結局、一番、情がうつってるのは誰かという話だった。 夜に晩酌をしながら、指に乗せ、ブツブツ話しかける様など、人様にはとても見せられなかった💧 翌日からも、しばらく虫の持ち帰りは続き、しまいには会社の同僚たちが、旦那の机の上に、虻の山を作ってくれたりした。 朝晩の気温差の激しいこの時期、ある日の朝のこと、燕が動かずに羽毛を膨らませていた。 「寒いんだ」 人間にしてみれば、対した気温ではなかったが、仕方なく七月だというのに、ファンヒーターの電源を入れ、その前にテーブルを置き、燕の留まり場所用の箱を置いた。 しばらくして身体が暖まってきたのか、翼を広げ羽繕いを始めた。 「あっちぃ~💦」 室内温度30~35℃。 人間はのぼせていた(笑) この状態は本格的に夏日が到来する時期まで一週間ほど続いた。 「でさ、雀が…」 「燕」 「あ💧だから、燕が…」 比較対象が雀だったために、言い間違いが多発し、名前を付けることにした。 「チッチ~🎵」 「チッチキチ~🎶」 「なんか違うくね」 「い~じゃん」 「チッチ~💕」 鳴き声から、"チッチ"と命名。 「小鳥のチッチ~🎶」 長男の口癖になった。image=367485315.jpg
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