燕のチッチのドタバタ騒動記

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一週間を過ぎる頃には、割り箸で摘まんだミールワームを食べるようになり、コップに並々と注いだ水を飲めるようになっていた。 日曜毎の買い出し…チッチはまだ目を離せる状態ではなかった。 しかし、ここは田舎、買い出しには一日がかりなのだ。 「置いていって、なんかあっても困るしなぁ💧」 仕方なく、餌を多めに準備し、虫かごに入れた。 「少しの間、我慢せぇよ」 虫かごに入れられ、キョトンと見上げるチッチに話しかける。 移動中の車の中で、虫かごから出たいと暴れるチッチに根負けして、かごからだしたのはいいが、シートから落ちる、背もたれから落ちる、助手席から後部席に飛び、ずり落ちる💧しまいにはシートの下に潜り込んで姿が見えなくなった。 「すいません、走行中は勘弁なんですけど💧」 バイパスでいきなり、車を停めるわけにはいかなかった。 市内の実家に寄り、買い出しの間、子供二人と養子一羽を預ける。 「あら~懐かしい~燕💕」 生きものばんざいな母の一言に、ずっこける。 生きもの、哺乳類鳥類ドンと来いな人なのだ、昔から💧秋田の山村で育ち、猫好きで、牛とも会話が出来たという逸話の持ち主だったりする。農作業小屋の屋根裏に燕が巣作りをしていた話を過去に聞いたことがある。 「あれぇ~箸から食べるの~可愛いね~」 すっかりチッチを気に入ってしまった様子で、満面の笑みで、世話を快諾してくれた。 実家にいてもマイペースなチッチに笑った。 水が飲めるようにと準備してもらったコップに乗り、リラックスしてる様は、堂々としたもので、母に更に気に入られていた。 長距離運転の疲れから、眠気を催し、横になっていると、母がちょっと孫を連れて外出するからと、チッチを連れてきた。 眠気に勝てず、仕方なく、両手でチッチをくるみ寝ていると、母が様子を見に来て一緒に昼寝をしている姿に爆笑していた。 「黙って寝てるんだもの」 と、チッチが可愛くて仕方ない様子だった。image=368844752.jpg
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