三上 水の場合

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  7時49分、3両目。この時間の電車に彼はいる。三上水、プチストーカーな今日この頃です。 「…カッコイイ」 「顔、にやけてる」 いいじゃない、朝の楽しみなんだから!これがあるから遅刻しないの?分かるかなーこの乙女心! 「見てるだけなんて不毛だわ」 「名前も苦手な科目も知ってる」 「そりゃあ、聞き耳立ててたらね」 進藤七緒くん、西高の2年生。苦手な科目は数学。…これしか知らないけど。きっかけは、そう…春の事。生理痛で貧血を起こして、うずくまっていた私に「大丈夫?」って声をかけてくれたのが始まりであって―… 「水、降りるよ」 「桜…少しは雰囲気をさー」 「知るか」 ひたらせてよ!乙女心は複雑なんだからさ!
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