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だから今日こそは告白しようと思って、私は朝から気合いを入れていた。
「よーっし!今日こそ、好きっていうのよ私~っ!」
鏡に向かってニッコリ笑ってみる。
…酷い顔だ。肩を落としつつ、玄関から勢い良く飛び出した。
「なーこ!おせーぞー!たるんでんな」
「なんであんたがここにいるかな…?」
決意の後に本人が現れたから、私は内心パニックだった。
私達は、無言で歩き出した。
(よ、よし!今がチャンスよ!信号で止まってるうちに…!)
シャツの裾を引っ張ると、大樹は私を振り返って首を傾げる。
鼓動が速くなってきた。スカートを握りしめると、私は睨む様に大樹と目を合わせた。
「私は…!大樹の事が3年前から…っ!」
好きと言おうとした所で、大樹に抱きしめられた気がして…。
大きなもの音の後、私の目の前は真っ暗になった。
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