カイゴウ

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「へー。呼び出されて何言われてるのかと思ったら」 時変わって放課後。 「せっかく夏休みが始まったってのに。夏休み最初の昼飯がまずくなるっつの」 昼を前により調子に乗り出した太陽の下、俺は気の良い眼鏡、浜野と独自に見つけた道を通って帰っていた。 「でも…そうだね。僕も夏休み何もやってないけど呼ばれなかったし、気に入れられてるのかも」 「勘弁してくれ」 笠井先生は確かに男女どちらからも好かれているが、もちろんみんながみんな先生が好きな訳じゃない。 俺みたいに苦手な奴もいるわけだ。 …特に夏は。 照り返す太陽! 雲一つ無い青空! 耳障りな蝉の声! ―そして笠井。 「…拷問だった…」 「何か言った?」 「…いーや」 コイツは大丈夫そうだな。 まぁ常に学年トップ5本の指に入るような奴だし、平気に決まってるか。 「で、及川君は結局何するの?」 「ん?」 「夏休み。予定とか」 「あー…無いな…って、そんな(無いならなんで何もしないの…)て目でみるな」 母親かお前は。 「だって…」 コイツはきっと予備校とか通うんだろうな。 ったく、勉強はやって当然!みたいな顔しやがって。 「ま、暇だったら俺ん家来いよ」 どうせゲームくらいしかすることねぇけどな。 「…うん、分かった。じゃね」 分かった、て顔じゃ無いけど…まあいいか。 …とと、そういえば。
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