演習 プラティ対プレコ

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 手錠を掛けられて床でジタバタするプレコは面白かった。 「きみの動きキレイだ。最高だぜプレコ」  それは良いとして質問しないといけない。 「どうして家に侵入しようとしたの?」  どうせ家の間取りを確かめる為だと思う。 「そんな事、答えません!」  私の捕まえ方が強引だった為かプレコは私を睨みつけている。  逮捕術を習ってないから仕方が無いのに。 「あれ。でも家の中に誰も居ないって思って入ろうとしたの?」  そう聞くとプレコはボソボソと小さい声で何かを言った。 「え?何?」 「昨日は全員、家に居なかったじゃないですか」  だからって今日も居ないとは限らない。 「あきれた」  とにかく上司に無線連絡する。  これで訓練は終わる。  無線だから上司をコードネームで呼ぶ必要がある。  勝ったのに罰ゲームみたい。 「こちらプラティ。ふぁ、ファイヤーイーグル応答願います」  すぐに上司は応答した。声の感じが、いつもと違い凛としていた。 「こちらファイヤーイーグル。感度良し」  感度良しじゃない。 「なんですか?そのコードネームは?」  プレコの質問を黙殺して無線に集中する。  彼女を捕まえた状況を伝えた。 「じゃあ不法侵入で逮捕って事か。すぐに釈放だね。訓練は続ける」  すぐに終わったら、つまらないだけじゃないかと聞きたかった。 「了解しました」  無線が受信状態になってる事を確かめ呟いた。 「アホドジマヌケ」
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