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上司が家を出る前に通勤ルートをボディガードAと手分けしてチェックする。
横断歩道の前、つまり上司が信号で捕まったら立ち止まる所に長靴が不自然な角度で固定されていた。
上司が昨日、立ち止まった所に正確にあった。
草村の中にあったけれども私が、こんな物を見逃すと思ってもらっては困る。
ライトで長靴の中を照らすと銃口が見えた。
角度も上司の頭に向くと思う。
プレコにしては良く出来た方だと思うけれども、この証拠品の回収は考えてないみたい。
そう思うと長靴から糸が伸びていた。それをたどるとプレコが居た。
暗殺したら糸を手繰り寄せて回収するつもりだったみたい。
「プレコ、今度こそ私の勝ちよ」
「イヤです」
彼女は背中を向けて一目散に逃げた。
追いかけるとプレコは急に立ち止まり私の方を向くと右足を一歩、引いた。
ウィーバースタンスと呼ばれる射撃姿勢だった。
あとは拳銃を抜くのみ。 こう言う時、映画や小説では都合良く弾を止める遮蔽物があるけれども今回は木が植えられていたので、そこに隠れた。
プレコの様子を見た。こっちに来ている。
私を撃てば勝ちと言えば勝ち。
けれども私も負けるつもりは無い。
低い姿勢のまま銃を抜いた。一応エアガンのGIコルトだった。
トリガーガードと指の付け根を木に押し付けて銃口を木の左からプレコに向けた。
結構、近い距離だった。これならエアガンで撃たれても痛い。
私の銃は老朽化の弊害で連射速度が毎分一万発を超えていたが、それを最大限に利用した。
あっという間に無数のBB弾を叩きつけた。
「痛い!」
プレコは、その場に倒れる。いくらエアガンでも太ももの一点に弾が無くなるまで撃ち込まれたら相当、痛い。
ちなみに老朽化の弊害とはセミオートの為のシアが破損しフルオート(連射)になった事とスライドが後退するスペースの後ろだけに砂が詰まって結果的にスライドの後退する距離が縮まって連射速度が速くなった事だった。
決してプレコに痛い思いをしてもらう為に改造した訳ではない。
弾倉交換をしてプレコに銃口を向けた。
それでも撃ち返して来たプレコに私はひるんでしまった。
「さっきの当たってませんからね」
そう言い残しプレコは走り去った。
サバイバルゲームで言うゾンビ行為と言うトラブルになり易い反則だった。
「最低」
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