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私は、やや憂鬱な思いで目を覚ました。
プレコは相変わらず私より早く起きる。
テーブルの上にあった酒とつまみは片付いている。ありがたい事ではある。
ただプレコの怒っている表情を見ると文句を言いたくなる。
一眠りしても、まだ怒ってるなんて。
プレコに関係する物にも文句を言いたくなって来た。
着ているパーカーになぜ十字架と逆十時が一緒に描いてるのか?普通は、どっちか片方じゃないのか?そして修正液で描いたんじゃないのか?
そんな事を口に出しても仕方が無い。
「プラティさん。昨日の事は覚えてます?」
私は「忘れた」と言いたかった。
ただ部下に対して記憶喪失なんて卑怯な手は使いたくなかった。
代わりに露骨に長々と溜め息をついてから答えた。
「ええ。覚えてるわ。
でも、そんな事は忘れてもらえないかしら?」
その私の言葉にプレコは歯軋りをして顔を真っ赤にして更に怒りを強めた。可愛いとは思う。ただ
「そんな事って何ですか!?
昨日と約束が違います」
前から子供っぽいとは思ってたけれども、ここまでとは。
私は再び溜め息をついてケータイを出した。
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