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しかし私はミスを犯していた。
車の外には二人の警官が居た。
拡声器で私とプレコの耳を振るわせる。
「君たちは完全に包囲されている。武器を捨てて出て来なさい!
我々は君たちを助けたい!」
そう言った警官は軽機関銃BARを私の額に向けて来た。
本当に助けたいのかよ?
車の中は外から丸見えだったのに銃を持っていたら警官が来ても可笑しくはない。
私は外に出た。事情を説明すれば釈放されるハズ。
プレコも私を見習って車から降りた。
私の意図を察したみたい。
そう思った自分を呪った。
プレコは歩兵銃で警官の顔面を力一杯、殴りつけた。
もう一人の警官がプレコの顔面に拳を叩きつける。
私は、その警官の胸を蹴った…ら逮捕されかねないから全速力で逃げた。
可愛い部下を置いて行くなんて心が痛むけれども、この場合は、どう見ても負けてしまう。
プレコの分まで一生懸命、生きる事にした。
プレコが警官に拘束されるのを見届けるとカカトを鳴らして敬礼をして家に帰った。
ー完ー
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