演習 プラティ対プレコ

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 八時間前。  私とプレコは私のアパートで飲んでいた。  今、考えると場所も良くなかった。店で飲んでれば暗殺の話なんて出来ない。  どうして、そう言う話になったのかは覚えてない。 「今まで私が作戦を立てて来たわよね」  その質問をプレコは肯定する。 「そうですね」  ここまでは、ただの雑談で済む。 「その理由ってプレコのここの中身が入ってないからじゃないかしら?」  私はプレコの額を指でつつきながら、そう言ってからかった。  いくらプレコをからかうのが楽しいからって普段は、そんな事はしない。  酒の力は怖い。 「どうして、そうなるんですか!?」  怒って、そんな事を言われると更に怒らせたくなる。  酒を飲んでるからと無責任な事を言ってみた。 「じゃあプレコが一人で作戦を立ててみたら?  そしたら、すぐに捕まると思うけど」 「そんな事ないですよ」  そろそろ酒も無くなって来たし眠くもなって来た。  満足する位からかったら寝ようと思っていた。 「頭の中が空だって認めちゃいなよ」  私はプレコの頭を撫で回した。いつもの優しさは消え失せて髪がグシャグシャになる位の力を入れた。 「認めません。  上司に演習を頼んで下さい!  プラティさんがボディーガード役で俺が一人で暗殺します。  そして俺が勝ちます」 「え?そんなの出来ないわよ」  プレコは相当、熱くなっていた。  ちょっと、からかい過ぎた。 「頼むだけ頼んで下さい。  出来ないなら諦めますがプラティさんを負かせないと気が済みません」  朝、起きたら無かった事になってるよう願って渋々、承諾した。
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