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そう質問した私の表情からは殺気が出ていたと思う。
「私に面倒な電話をさせて、それで満足するつもりだったでしょ?」
どうも、そのつもりだったみたい。
「すみません。つい頭に来て」
彼女は私の初めて見せる表情に狼狽たえていた。それでも許す気には、なれない。
昨日の私の言葉は少し言い過ぎたかも知れなかった。ただ、だからって電話させるなんて、どうかしてる。
「上司は適当なのよ。演習が終わったらプレコには死んでもらうわ」
もちろん本気ではない。怒りで、ついそんな事を言ってしまった。
プレコの頭に血が上るのが分かった。それでも私は「はい」と言う返事を待った。でも返って来たのは
「適当だからって特別扱いしないで下さい。たくさん訓練して来たのに何を言ってるんですか?」
その答えに私は平手打ちで返した。頭が冷えた時に謝ろうと思わなかった。
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