水の街

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とりあえず、何と言って良いのか分からず、そうか、と答えておく。 「まず、あそこが図書館ね。その向かいが学校。」 それだけ説明して、少し進む。 「ここが魔具屋。で、隣が花屋。ここのお兄さんナンパが生きがいなの。」 すると、噂をすれば、と言うのか、花屋のお兄さんが出てきた。 「よお、カルメーラちゃん!デートかい?今度俺ともしてくれよ!美味しいリゾットの店知ってるぜ?」 カルメーラはうんざりとした顔になった。 「デートじゃないわよ。あんた何年も変わらずよくそんなにナンパばかりできるわね。」 すると花屋はバラを取り、笑顔で答えた。 「俺は世界中の女の子を幸せにしたいから…♪」 「そんなだから恋人出来ないのよ。」 カルメーラがバサリと言った。 「カルメーラちゃん、俺の恋人一号に…」 「ならない!」 一蹴。ははは、ふられたなー、と、周りの人々が花屋に言う。花屋は少し涙目で、仕事に戻って行った。
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