水の街

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カルメーラは華やかな衣装を身に纏い、鮮やかな扇子を両手に持っていた。ペコリとお辞儀をして彼女は扇子を開き、踊りだした。それと同時に扇子からは水が湧き出し、水は様々な形で七色に輝きながら空を舞った。観客たちから歓声が上がる。確かに美しい。だが、カルメーラはグスタの捜している人ではなかった。カルメーラは赤髪に茶色の瞳で年齢は14、5歳といったところだ。グスタは落胆し、その場を後にしようとした。だが、その時歓声が悲鳴に変わった。グスタはハッと一座の方を見る。カルメーラがナイフを持った男に捕まっていた。
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